日本の伝統文化のひとつとして、世界中で楽しまれている「いけばな」。それはどのように生まれ、現在のような形になったのでしょうか。
私たちの祖先は、自然の偉大さにおそれながらも敬いの心を持ち、草木と共に生きるという、独自の考えを持っていました。飛鳥時代に仏教が日本に伝えられると、仏に花を供える風習「供花― くげ― 」がもたらされ、やがて室内に花が飾られるようになりました。その後、室町時代からの建築空間の移り変わりとともに、花を飾る花器や花留めが現れ、芸術性を高めていったのです。
以来、500 年の間に「いけばな」は、さまざま形で花と向き合ってきました。
その長い年月には、余分な要素を取り去ることで、花の持つ美しさや個性を最大限にいかして表現しようとする、日本人の美意識がありました。四季の移ろいがはっきりとした日本だからこそ、自然の美しさや力強さを作品の中に表す「いけばな」が生まれたのでしょう。
是非、花を手にとって実際にいけてみてください。
あふれる花の力、そして花の命と触れ合うことで、その美しさや重みを感じてください。

立花
(りっか)
抛入・瓶花
(なげいれ・へいか)
生花
(せいか・しょうか)
文人花
(ぶんじんばな)
盛花
(もりばな)
自由花
(じゆうばな・じゆうか)